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【コラム】CO2ゼロ・再エネ100%電力はどのように作られるのか?

昨今、弊社含め多くの電力会社の電力プランやホームページなどで「CO2フリー」や「再エネ100%」などと記載されたプランを見掛けるようになりました。

これらのプランの多くは、以下の仕組みで構成されています。

①再エネの発電所から電力を直接顧客へ供給するもの
②旧来の発電方法(火力など)で発電した電力に「環境価値」を結び付けたもの
ではその仕組みはどのようになっているのでしょうか?今回は徐々に広まりつつある②の仕組みに着目して詳細を説明したいと思います。

旧来の発電方法で発電した電力に「環境価値」を結び付ける場合、その方法には以下の3種類があります。
(1)グリーン電力証書を活用する場合
(2)再エネ由来のJ-クレジットを活用する場合
(3)非化石価値を活用する場合

 

(1)のグリーン電力証書を活用する場合

グリーン電力証書とは再エネの発電所で発電した電力のうち、「環境価値」のみを取引できるように構築された制度です。「環境価値」は第三者認証機関の審査を経て抽出され、認証機関により登録を受けた証書発行事業者(25社:2019年4月現在)により証書の形で発行されます。グリーン電力証書は他のクレジットと比べ、発電所所在地・発電種別・発電時期などトレーサビリティーが明確であるとともに、厳格な審査・管理体制のもと運営されている信頼性のあるシステムです。この制度を活用し、小売電気事業者が顧客に販売する電気と同等量になるよう「環境価値」を組み合わせて販売すると、再エネ電気と同等かつCO2排出量がゼロの電力プランを提供することができます。なお弊社のグリーン電力証書については以下より情報をご覧いただけます(https://esg.ne-greena.jp/green_certificate/)。

 

(2)のJ-クレジットを活用する場合

J-クレジット制度とは省エネルギー機器の導入や森林経営などの取り組みによる、CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度です。各取り組みは「プロジェクト」として申請され、排出削減量の認証を受けたのちに入札等により購入することが可能です。これらを電力プランと組み合わせて、調整後排出係数ゼロの電力プランを提供することができます。

J-クレジットの認証・発行の手続きに関して(出典:経済産業省)

 

(3)非化石価値を活用する場合

こちらは「非化石証書」という名前の通り、化石燃料ではない再エネ由来の「環境価値」をやり取りするものです。
この非化石価値は2015年7月から実施された「固定価格買取制度(以下、FIT)」をベースとした仕組みです。FITでは多くの再エネの発電所が建設され、発電した電力の全量を電力会社へ売電しています。これを全量売電方式などと呼びますが、売電している電力には電気そのものの価値に加え、「環境価値」も含まれています。以前まで(自家消費方式の再エネ発電所が主流である頃)は、「環境価値」は発電事業者が保有していました。それは発電した電力を消費する者と「環境価値」の保有者が発電所のオーナーと一致していたためです。

 

一方で全量売電方式による発電所が新設されると、発電所のオーナーが電力を直接的に消費する形ではなくなり、「環境価値」も含めてすべて電力会社へ権利を委譲する契約形態へ移り変わりました。
しかしその際、そこに含まれた「環境価値」の所有権に関する議論が起こります。
そこで生まれたのが“非化石証書”です。非化石証書は経済産業省が主体となり、現在まさに制度の構築が行われていますが、FITで生じた大量の環境価値を入札方式で希望者(小売電気事業者)に購入させる形式となっています(トラッキング付非化石証書販売の場合)。電気の顧客が使用したい場合は小売電気事業者を通じてしか購入できません。

ただし非化石証書は「再エネ指定」と「指定無し」の2種類に分かれており、「指定無し」の場合は大型水力や原子力発電、また卒FIT電源(FITでの売電契約が終了した再生可能エネルギーからの電力)などが対象電源となっています。この場合は環境に配慮した電源とは異なり、再エネ由来の証書を購入していることの訴求ができなくなりますので、電力プランと組み合わせることはありません。

 

非化石証書の対象となる電源と証書の発行イメージ(出典:資源エネルギー庁)

 

これらの方法により、小売電気事業者は非化石価値を保有することができます。そして(1)と同様に、小売電気事業者が顧客に販売する電気と同等量になるよう非化石価値による「環境価値」を組み合わせて販売すると、CO2排出量がゼロの電力プランを提供することができます。
ただし上記(1)~(3)の方法には、厳密には違いがあります。それは「追加性要件」と呼ばれる基準における違いです。「追加性」とは自然エネルギーの導入拡大につながるのか、新たな投資を促す効果があるのかといった意味合いです。現時点では(3)の非化石価値を活用した電力には追加性はない、とされておりCDPなどへの活用に関しては十分な注意が必要です。

 

このように多様な制度を活用して再エネ100%電力メニューが次々と登場しています。この他にも東京電力の「アクアプレミアム」などのように冒頭①の「再エネの発電所から電力を直接顧客へ供給する」といったパターンの供給方法も登場しています。

なおこれら全てのメニューでは調整後排出係数がゼロとなっており、企業などで購入電力量のGHG排出量等の集計の際などに排出量ゼロとして報告することが可能です。

 

しかしながら企業によっては新電力への切り替えが難しい場合もあるかと思います。その場合は、グリーン電力証書のみを単独で購入し、CO2排出量をゼロにするもしくは削減することができます。弊社は業界シェア25%を誇る発行実績もあり、様々な業種の企業の皆さまからのお引き合いをいただいております。詳細は以下のページよりぜひご覧ください。
【グリーン電力証書特設ページURL】
https://esg.ne-greena.jp/green_certificate/

 

【出典】
自然エネルギー財団「自然エネルギーの電力を増やす 企業・自治体向け電力調達ガイドブック 第2版」
J-クレジット制度ホームページ
資源エネルギー庁「非化石価値取引市場について」2017年11月28日