気候変動と
ESG投資

2016年11月パリ協定発効

気候変動は、極端な気象や気温上昇等を通じ、大規模な自然災害や、食料、衛生面、安全保障などにも影響を及ぼすことが、企業リスクを超え、人類が直面するリスクであることが科学的に説明され、世界での共通認識へと広がっています。
COP21(パリ協定)では、過去に例のない規模でグローバル企業のCEOクラスが集結。有力な機関投資家や金融機関も参加し、「脱炭素」に向けて気候変動対応ビジョン・戦略・目標や、政策の必要性を訴求しました。
日本でも、GPIF(年金設立金管理運用独立行政法人)が先陣を切ってESG 投資に着手し、2017年6月末までに1兆円を投じ将来は3兆円まで増やす計画を立てています。
その後、日本企業は投資家の動きに敏感に反応し、ESGを含む非財務情報は企業のリスク管理と事業継続性に直結すると強く認識されるようになり、現在ではESG格付け機関の存在も大きくなっています。
社会的意義だけではなく、SDGs(持続可能な開発目標)とESG戦略を並行した経営は企業のイノベーションや成長戦略に必須のものとなりつつあるのです。

Eの評価指標

CDPとSBT/RE100について

SCOPEのイメージ

責任投資・ESG投資において、企業の環境課題に対する取り組みを評価することは近年、重要となっております。
CDPには環境情報の開示を企業に要請することに賛同する多くの機関投資家が署名しており、2002年の第一回調査時点に35件であった署名機関数は、パリ協定を経た2016年には署名機関数(気候変動プログラム)は800件以上となりました。これら機関の運用資産総額は100兆米ドル(約1京1千兆円)を超え非常に大きな影響力を及ぼしています。
同プログラムの質問書は世界の企業6,000社以上に送付され、全世界の株式市場時価総額の60%近くに及ぶ約5,800社の企業が回答しています。

ESG投資やCDPのような第三者機関の台頭により、企業がどれくらい気候変動に対応したらよいかの国際的な指標がパリ協定以降急ピッチで整備され、SBT(企業版2℃目標)、RE100、 EV100などのイニシアティブが生まれました。
多くの企業が、パリ協定で定められた温暖化を2℃未満に抑制するために必要な削減シナリオ=SBTイニシアティブに関心を示し、同シナリオを経営戦略に取り入れる宣言をしています。

SBTから前進して、さらに野心的なCO2削減ターゲットを宣言するのがRE100です。
国際環境NGOの「The Climate Group」とCDPの協働により、2014年に立ち上げられた「RE100」は、事業運営に必要な電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業によるグローバルイニシアティブです。「RE100」はCDPの指標の一部としても機能しており、CDPの質問書における再生可能エネルギー目標について賛同していることを報告できます。

ESGにおける「E」の評価指標には、CDPの気候変動質問書に対する回答を元にしたスコアリングが大きく影響します。

※CDP・・・Carbon Disclosure Projectの略

※SBT・・・Science Based Targetsの略

※CDPの気候変動質問書・・・気候変動が企業に与える経営リスクの観点から、世界の主要企業の二酸化炭素排出量や気候変動への取り組みに関する情報を収集し、集まった回答を分析、評価することで、企業の取組情報を共通の尺度で公開していくことを目指して作られた質問書

サプライチェーンCO2
排出量の重要性

CO2直接排出率だけでなく、サプライヤーの再エネ導入・CO2削減がビジネスをつなぐ

SCOPEのイメージ

サプライチェーンからの排出量(SCOPE3)は、企業の直接的な排出量(SCOPE1+SCOPE2)に比べ平均にして4倍と高いと言われています。日本の大手企業でも、自社のSCOPE1対策は根付いているが、SCOPE2、さらにSCOPE3の削減に向けた電力会社やサプライヤーに向けた要求はまだ少ないため、これから急速に広がっていくと予想されます。

SCOPE1
事業者自らによる温室効果ガスの直接排出(燃料の燃焼、工業プロセス)
SCOPE2
他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
SCOPE3
SCOPE1、2以外の間接排出(購入した製品・サービス・輸送・配送・加工・廃棄物等)